これまで議事録は「あとで人が読み返すため」に作っていました。けれど、AIアシスタントやエージェントが日々の仕事に入り込むほど、会議の記録には新しい役割が生まれています——**AIに渡す“文脈”**です。先に結論を言うと、会議の文字起こしを、AIが読める形(Markdown / JSON)でプロジェクトのフォルダに置いておけば、そのフォルダを参照するAIは、頼まなくても前回までの会議を踏まえて動けます。OffReco(オフレコ)のプロジェクト同期は、まさにこの使い方を想定しています。しかも、音声は外に出しません。
議事録は、もともと「人のため」だった
そもそも議事録は、人が読むことを前提に作られてきました。
- 会議のあとの「なんて言ってたっけ?」を解消する(記憶の補助)
- 決定事項・宿題を共有し、認識をそろえる(合意の記録)
- 欠席者に渡す、あとから検索する(参照)
どれも読み手は人間です。だから議事録は、人が読みやすいように要約され、整えられてきました。これ自体は今も価値があります。
読み手に、AIが加わった
ここ数年で、仕事の進め方が変わりました。コードを書く、調べる、文章を作る、段取りを組む——こうした作業を、AIアシスタントやエージェントと一緒に進める人が増えています。
ところが、AIには弱点があります。前回の会議で何を決めたかを、AIは知らないのです。だから私たちは毎回、背景を貼り付け、状況を説明し直すことになります。会議のたびに文脈は増えていくのに、それがAIには渡っていない。ここに、地味だけれど大きな無駄があります。
議事録を「AIの文脈」として残す
AIエージェント向けの議事録とは、要約だけでなく話者つきの全文を、AIが読める形(Markdown / JSON)でプロジェクトのフォルダに残した会議の記録のことです。発想を変えてみます。議事録を、人が読む“きれいな要約”としてだけでなく、**AIが読む“プロジェクトの文脈”**として残すのです。
- 形式は、AIが扱いやすい Markdown / JSON
- 置き場所は、AIが参照するプロジェクトのフォルダ(コードのリポジトリ、ナレッジのVault、同期フォルダなど)
- 中身は、要約だけでなく話者つきの全文(誰が何を言ったかまで残す)
こうしておけば、AIエージェントは「前回の打ち合わせでこう決まった」を踏まえて、次の一歩を進められます。議事録は、人のためのドキュメントから、プロジェクトを前に進めるための入力へと役割を広げます。
OffReco でどう実現するか
OffReco には、会議を「プロジェクト」に分類し、その文字起こしをあなたが指定したフォルダへ自動で書き出す同期機能があります。
- 会議が終わると自動で文字起こし → プロジェクトのフォルダへ
transcript.md/transcript.jsonを一方向で同期 - そのフォルダを、あなたのAIエージェントが参照する場所に設定しておけば、会議のたびに最新の文脈が積み上がる
正直に書くと、OffReco がやるのは「指定フォルダへの自動書き出し」までです。そのフォルダをどのAIに読ませるか(どのエージェント・どのツール)は、あなたが選んで組み合わせます。OffReco 自体がAIを内蔵していたり、特定サービスと直接連携していたりするわけではありません。素材(AIが読める会議の記録)を、扱いやすい形で、いつもの場所に置いておく——役割はそこまでで十分です。
プライバシーは、犠牲にしない
「AIに渡す」と聞くと、また音声がどこかに送られるのでは、と不安になるかもしれません。ここがローカル型の効くところです。
- フォルダに書き出されるのは**テキスト(文字起こし)**で、音声は書き出しません
- 録音・文字起こし・話者分離はすべてMacの中で完結し、音声・文字起こし本文を外部サーバーに送りません(機内モードでも文字起こしが動きます)
- どのフォルダに置き、どのAIに読ませるかは、最初から最後まであなたが決められます
つまり、「AIに文脈を渡す」ことと「音声を外に出さない」ことは、両立します。
まとめ
議事録の読み手は、もう人だけではありません。会議の記録を、AIが読める形でプロジェクトの文脈として残しておけば、あなたのAIエージェントは前回までの会議を踏まえて動けます。しかも、音声を端末の外に出さずに。気になった方は、まずダウンロードして、プロジェクト同期を試してみてください。関連して、Macでクラウドに送らず会議を文字起こしする方法や、プライバシーの考え方もどうぞ。